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次世代のエッジ対応ネットワークに向けた上位 7 つの要件

デジタル・トランスフォーメーションに取り組み始めた企業は、既存のネットワークが現代のユーザーが要求するエクスペリエンスをもたらすことができず、進化する要件に対処するための軽いフットワークも持っていないことがすぐわかるでしょう。 

これらの制約は、IoT およびモビリティ化された社員の増加により、企業ネットワークに接続するデバイスの数が急激に増加する状況でさらに強まります。 

そのような環境では、エッジでのデータ量も桁違いに増加します。2025 年までには、中央データセンターまたはやクラウドの外で生成・処理されるデータは 75% に達し、IT 担当部署がデータの可用性とセキュリティの間における要求のバランスを維持することがさらに困難になっていきます。(1) 

このデジタル時代で生き残り、更に進化をなしていくために企業が取れる選択肢は一つだけです。すなわち自社のネットワークインフラストラクチャを最先端にすることです。次世代のエッジ対応ネットワークの設計・展開のための 7 つの主要要件を把握して、モダナイゼーションのための最初のステップに着手しましょう。 

要件 #1: データセンタークラスの性能を備えたエッジで IoT および Wi-Fi 6 を実現する準備 

30 億の IoT デバイスが2023 年までに展開されます。

(2) 企業ネットワークは、IoT デバイスと帯域幅を大量に消費するアプリであふれています。そこへ、Wi-Fi 6 の登場です。この最新無線規格対応アクセスポイントは最大 4 倍のスループットを提供し、より多くのデバイスに対応できるようになりが、この状況によりエッジのレガシースイッチがオーバーサブスクリプションになってしまいます。 

最先端ネットワークでは、有線スピードの稼動性能を供給し、高可用性を実現するための簡単かつ堅牢なソリューションを提供するために、ノンブロッキングアーキテクチャに基づくスイッチが必要とされます。データセンター環境では一般的ですが、パフォーマンスの一時中断に対する許容度がほとんどなくなりつつある状況では、これらの機能がより欠かせないものになっています。 

すべてのスイッチポートの使用を最適化してクラス最高のシームレスなユーザーエクスペリエンスを提供し、Wi-Fi 6 と IoT を最大限に活用してボトルネックを排除し、重要なアプリに対して常に十分な帯域幅を確保しましょう。 

要件 #2: 強力な投資保護により明日の要求に対応 

2022 年までに、自社のアプリにアクセスするすべての IoT デバイスの接続要件を把握できていない企業は全体の 95% に達するでしょう。

(3) ネットワークスイッチの平均ライフサイクルは 5 ~ 7 年です。強力な投資保護を提供するインフラストラクチャの選択は、今日のニーズと未来の予測不可能な要求に対応していくために不可欠なものです。 

現在、御社のエッジネットワークは、アクセスレイヤーおよびアグリゲーションレイヤーにおいて 10GbE のアップリンクしか必要ないかもしれませんが、Wi-Fi 6 や IoT により、25 GbE あるいは 50 GbE までの拡張の必要を迫られるかもしれません。 

柔軟ななアップリンクを提供し、またマルチギガビットイーサネットに対応するソリューションに投資し、既存のスイッチポートおよび配線の高速化を支援して、コスト削減とビジネスの中断を抑制しましょう。 

要件 #3: 高密度、Always-ON (常時オン) PoE でコスト削減 有線 IoT デバイスと Wi-Fi 6 を導入している企業にとって、信頼性の高いPower over Ethernet (PoE)を備えることは、交渉余地のない必須要件です 

すべてのスイッチポートにおける高 PoE 給電機能により、 これらの最新デバイスに給電するための追加ケーブルの必要性が劇的に減少してコストは削減されます。常時オンの PoE により、監視カメラや医療モニターなどの重要デバイスへの給電が、スケジュールされた再起動やファームウェアのアップグレード中にも行われます。またホットスワップ対応のモジュール式電源を使用することにより、費用のかかるスイッチ構成部品を交換せずに、利用可能な PoE 給電機能を拡大することもできます。 

要件 #4: ダイナミックセグメンテーションによりネットワークセキュリティ を簡素化する  

IT 組織の 80% が、自社ネットワーク上に、インストール、セキュリティ保護管理が追い付いていない IoT デバイスを見つけたそうです。(4) 

ネットワーク状況は、よく整備されて、あらゆる種類のデバイスやユーザーを安全に接続できなければなりません。VLAN、ACL、およびサブネットに依存してネットワークを適切にセグメント化するのは時間がかかることであり、エラーが伴いやすいのです。 

代わりに、有線、無線いずれの環境でも自動的にユーザー別とデバイス別のポリシーを適用できるダイナミックセグメンテーションのようなネットワーキングソリューションを探してみましょう。 

一元管理およびネットワークポリシーの適用によって、時間節約、エラー削減、セキュリティ強化を図りつつ、訪問客、社員、顧客などあらゆる種類のユーザーに、適切なネットワークリソースへの便利で信頼性の高いアクセスを提供できます。 

要件 #5: 自動化により、あらゆる規模のネットワーク部署の業務を簡素化にする 

自動化により、手作業に起因するエラーを 75% 以上削減し、同時にオペレーション効率が上がります。(5) 

新規もしくは更新したアプリケーションをより高速に構築・リリースするために、多くの企業が DevOps 手法の原則を採用しています。この取り組みによる成果を最大にするために、ネットワークは、それが対応するソフトウェアと同じくらい俊敏でなければなりません。 

クラウドのような運用エクスペリエンスを提供し、自社の自動化フレームワークを向上させるオペレーティング・システムで、最先端ネットワークのための適切な基盤を構築しましょう。 

  • 大きな組織にとっては、サードパーティ・システムと統合するためのオープン API とカスタムスクリプトの構築が鍵となります。 
  • DevOps 手法を実践する部署は、Ansible などの既存の自動化プラットフォームを拡大してネットワーク関連のワークフローに対応していく必要があります。 
  • 専用開発リソースを持たない小さな組織は、一般的な業務をシンプルにするターンキーソリューションを獲得しながら、同時にネットワークポリシーの準拠やデバイスの依存関係が即座に検証されるようにしていく必要があります。 

要件 #6: 分散分析でユーザーに影響を与える問題を迅速検知・解決 

問題の 39% はエンドユーザーによって発見および報告されたものです。(6)  

ネットワークの問題が発生すると、オペレーターは、問題が発生している場所と原因を即座に把握しなければなりません。残念ながら、従来のネットワーク監視・トラブルシューティングの方法は極度に受動的であり、リソースを大量に消費します。その結果、ユーザーに影響を与える問題は、必要以上に長く続いてしまうことがよくあります。 

すべてのネットワークノードをリアルタイムで可視化することが重要です。特に現場で技術的サポートがほとんど、またはまったくない遠く離れた場所で、それが言えます。インテリジェンスを組み込むと、関心のある遠隔計測データをエッジで前処理し、考えられる根本原因に関連付けることができます。そして、関連する全ての診断内容を添付して一元化された作業部署に警告を発信することができます。これにより IT 担当部署はネットワークの安全性を脅かす問題を、多くはユーザーがそれに気づく前に検知、対応、あるいは予防することができるようになります。 

要件

要件 #7: 一つのオペレーティング・モデルで優れた作業遂行方法を推進 

IT 予算の用途の 71%  は「ビジネスの運営」です。(7) 

従来のネットワークは、以下のような複雑で解決が困難であり、より高い運用コストと管理に頭を悩ます、という難点のある断片化したオペレーションに行く手を阻まれます。 

  • 多くは異なる部署で管理され、さまざまなネットワーク領域にわたる、異なるアーキテクチャ、オペレーティング・モデル、管理ツール 
  • 異なるソフトウェア要件を持つ、個別のオペレーションシステム。多くの場合、複雑なサブスクリプション方式のライセンススキームが必要です。 

単一のエンドツーエンドのオペレーティングモデルを導入することでできること: 

  • エッジでのアクセスからデータセンターまでの単一のエンドツーエンドアーキテクチャで複雑さを緩和 
  • 複数のドメイン間でネットワーク設計を複製し、コストを削減 
  • 共通のオペレーティング・システムとツールセットを活用し、従来は縦割だったネットワーキング担当部署間で緊密な協力体制を推進 

最先端ネットワーク: 競争を乗り越える 

エンタープライズエッジでのでの業務のデジタル化が、成長のための新たなチャンスを解き放つ鍵です。企業は、現代のテクノロジーの要求を満たすエッジ対応ネットワークを展開することにより、競争を乗り越えることができ、同時に拡張性と柔軟性を提供して将来のニーズに対応していくことができます。 

Aruba 製品を利用した次世代ネットワークへの切り替えについてはこちらをご覧ください 

出典:

(1) "有線/無線 LAN アクセス・インフラストラクチャのマジック・クアドラント"、Gartner、2019 年 9 月 24 日公開 - ID G00368944 

(2) エリクソン、"IoT (Internet of Things) レポート"

(3) "有線/無線 LAN アクセス・インフラストラクチャのマジック・クアドラント"、Gartner、2019 年 9 月 24 日公開 - ID G00368944 

(4)https://www.gartner.com/en/documents/3969768/segmentation-or-isolation-implementing-best-practices-foセグメンテーションかそれとも隔離か: 「すべての」デバイスを接続するためのベストプラクティスの実施"、Zimmerman、Tim、Gartner、2019 年 9 月 26 日公開 ID ID: G00388335

(5) Gartner がマーケティングリーダー向けの 5 つのコスト最適化戦術を特定、プレス・リリース、2019 年 6 月 

(6) Enterprise Management Associates、2018 年、Network Management Megatrends 

(7) “5 つのネットワークコストの最適化”、2019 年 6 月